怪しげだけど処方猫!?で心が癒される?「猫を処方いたします。②」

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心に響く作品紹介

猫は自由気ままで時に癒しをもたらしてくれる存在ですよね。
そんな猫を題材にした「猫を処方します」の小説の第2巻目が販売されました。
今回も様々な患者さんが猫を処方されにやってきます。果たして1巻で匂わせた予約の患者さんはくるのかな?

あらすじ&概要

人のうわさでしかたどり着けない謎の病院。
それが京都市中京区の薄暗い路地にある「中京こころのびょういん」。
そこで心を患ってしまった患者が処方されるのは、睡眠薬でも抗うつ薬でもなく、本物の猫!?
戸惑いながらも患者たちは、猫を「服用」し、いつの間にか自分の心を塞いでいた何かが猫のおかげで変化を遂げていきます!!
そんな猫を処方する「中京こころのびょういん」には猫を処方するある理由があるのです……。

著者石田 祥
出版社PHP研究所
発売日2023/11/8
ページ数288ページ
サイズ15 x 10.5 x 1.1 cm(文庫サイズ)
ジャンルヒューマンドラマ ハートフル ファンタジー

この本を手に取ったきっかけ

この本を手にとったきっかけは初めの「猫を処方します」を読んでみてすごく作品が気に入りました。ただ先生は待っている患者さんに会えずじまいの展開。
続編もありそうだなと感じていたところに2巻目が発売されていました。
さてさて、今回で「中京こころのびょういん」の主治医・ニケ先生の待ち人ならぬ待ち患者には会えるのでしょうか?

この本を読んでみた感想

今回も様々な人が迷い込んできますね。
もしかしたら1巻よりもある意味、深刻な方々が多かったかも!?
妻に先立たれて、孫のこともよくわからないおじいちゃんのお話はなんとなく、現代社会でよくありがちなのかなとも思います。猫を通して孫のことを知ったおじいちゃん。こんなふうに何かをお互いに知ることで分かり合ったりするきっかけになるのかなとも思うし、単に現在はスマホでなんでもすんじゃうからこそ、人と本当の意味で繋がれるものに自分たちが出会う機会が少ないのかもしれませんね。
また予約の患者さんは複数名いるようですが、今回はその一人が終盤で登場します。
ニケ先生の過去にも起因しているのか、なんとも複雑な心境になるストーリーですが、動物の保護に携われることは良い部分と人間の都合的部分もあって複雑だなと感じましたし、家族になることで向き合わなければならないこともあるよなという気持ちになりましたね。

心に残った言葉

「しんどい時は猫の手を借りたらええんです」

ニケ先生

現代社会だとなんだか、「自己責任」みたいな風潮が強くあってなんでもかんでも個人が抱え込むことが増えているような気もします。
そんなことを小説を読んで振り返ってみると感じていて、その中で帯紙に書かれていたニケ先生の言葉が心を救ってくれるなあと感じます。
読んでいくと猫は何もしていないつもりでもちゃんと処方された患者さんの役に立っていたりします。
現代でも無理に役立とうとしたりせず、その場にいて特に大したことではなく、決められたことをやっている。それでも何かしているだけでもう立派に役立っていたりするものです。

そして大変だなという時には無理に自分だけで頑張ろうとせず、意外と周囲を見渡せば力になってくれたり、話を聞いてくれたりする人はいたりするもの。
落ち着くことで見えてくることもありますよね。
しんどい時は猫や人の手を借りてみてください。

落ち着きたい、人と猫の描写に癒されたい人におすすめな一冊!!

この作品のおすすめなポイントってやっぱり猫と人の描写だと思うんです。
猫が自由奔放な態度をとりつつ、自然と人間が猫に惹かれていって気がついたら自分の悩みがなくなっている。全てとは言わないけれど、人の悩みって意外に自分の中で作り出してしまっていることも多いのかもしれません。モヤモヤしている時はちょっと猫かこの本に触れてみましょう。
そうしたら気づかなかった景色が意外に見えてくるかもしれません。

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