手紙を通した優しい鎌倉物語「ツバキ文具店」「キラキラ共和国」

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心に響く作品紹介

現代はメールやSNSなど早く相手に伝えるための方法がたくさんあります。
でも早く伝えられるからこそ、粗雑になったり、思っていたことが上手く伝わらなかったり。
何より敬具や季語などが省略され、味気ない文章でのビジネスメールにどこか人間味が恋しく感じることもありますよね。
そんな悩みを解決するツールの一つといえば……そう手紙です。
でも、いざ手紙を書くとなると恥ずかしかったり、どう文章を切り出していいかわかりませんよね。
もし手紙を書くことがあれば、鎌倉のとある代書屋さんがそのヒントをくれるかも。
今回はそんな手紙にまつわる小説をご紹介します!

あらすじ&概要

鎌倉でひっそりと文具屋を営んでいる女性、鳩子(はとこ)。
彼女は祖母である「先代」が亡くなったことでお店を引き継いでいます。
「先代」から引き継いだ文具屋にはもう一つの家業、代書屋があり、今日も風変わりな悩みを抱えた代書依頼が舞い込んできます。
友人への絶縁状、盲目の少年から母への感謝状、天国からの手紙、夫婦の離縁状……様々な人たちからの悩みの相談の手紙を鳩子が彼らに成り代わって言葉を織り成します。
そして彼女は絶縁状態だった「先代」の想いに触れ、新しい家族の存在に向き合っていきます!

タイトルツバキ文具店キラキラ共和国
著者小川糸小川糸
出版社幻冬舎幻冬舎
発売日2016/4/21(ハードカバー)
2018/8/3(文庫)
2017/10/25(ハードカバー)
2019/8/6(文庫)
ページ数269ページ(ハードカバー)
346ページ(文庫)
251ページ(ハードカバー)
328ページ(文庫)
サイズ20 x 14 x 2.2 cm(ハードカバー)
10.5 x 1.5 x 15 cm(文庫)
19.5 x 13.8 x 2 cm(ハードカバー)
10.1 x 1.4 x 15.1 cm(文庫)
ジャンルハートフルストーリー
ヒューマンドラマ
ハートフルストーリー
ヒューマンドラマ 

この本を手に取ったきっかけ

ツバキ文具店は、以前NHKのドラマで見て、好きになった作品です。
その時は、多部未華子さんが鳩子を演じていましたが、元ヤンキーという過去の演技のギャップぶりをうまく演じていらっしゃって楽しませてもらった記憶があります。
そんな暖かいストーリーの続編、「キラキラ共和国」が出版されたことで、ぜひ一度読み直してみたいと思って小説の方も手にとってみました。

この本を読んでみた感想

まずこの本を読んでみてすごいなあと思ったのは、手紙を書くに当たって書き手のイメージを表すのに紙から筆ペンまでこだわって決めているところ、そして読み手の方に向けて言葉の一つ一つを選んでいるところです。
そしてその書いた文章をちゃんと載せてくれていて、鳩子がどんな思いで書いてどんな手紙に仕上がったのかがよくわかるのがとても良いなと思っています。
鳩子の代書屋としてのすごさ、そして伝わる手紙ってこういうものをいうんだなと感じさせてくれるところがこの小説の素晴らしいところですね。
出てくる登場人物も、その人の渾名で呼ばれている点が物語をファンタジーっぽくしてくれているなあと感じます。
ファンタジーのような優しさ、そして依頼人の思いを相手に伝わりやすい形で伝えている手紙、この2つが読む人の心を優しく包んでくれるそんな一冊だと感じています。

心に残った言葉

「心の中で、キラキラ、っていうの。目を閉じてキラキラ、キラキラってそれだけでいいの」

バーバラ婦人

「気づいたというか、娘に教わったんです。失くしたものを追い求めるより、今、てのひらに乗っているものを大事にすればいいんだよって」

ミツローさん

それぞれのキャラクターで素敵な言葉の数々があるのですが、僕はこの2つの言葉が特に印象的です。
特にバーバラ婦人が鳩子に教えてあげるおまじないなのですが、なんて素敵なおまじないなの!?っと思うほど目から鱗の素敵なアドバイスだなと思いました。
今回はツバキ文具店だけの言葉を選びましたが、キラキラ共和国にも名シーンがいっぱいです!
ツバキ文具店を読んでぜひキラキラ共和国も楽しんでください!!

人間関係に悩む!手紙を書きたい!そんな人におすすめな一冊!!

この小説で登場する人たちは悩みを抱え、気持ちを伝えたいと思っている人ばかり。
そして気持ちを伝えたい人といえば、家族や恋人、友人など今まで一緒に時を歩んできた人ばかりです。主人公である鳩子もその1人。ツバキ文具店では亡き祖母への気持ち、キラキラ共和国では新しくできた自分の家族についてあるべき形に悩んでいきます。
もしかしたら悩んでいる今の自分に向けたような手紙や言葉がこの小説を通して見つかるかもしれません。
そしてこの小説を読めばきっと大事な人に手紙を書いてみたくなると思います。
その参考にもなる素敵な小説です!!

もっと「ツバキ文具店」で癒されたい

ツバキ文具店、店主の鳩子が織りなすエッセイ本です!!


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